「歩いても歩いても」プレミア試写会：忘却は川の流れの如く緩やかに：SSブログ

	ブログをはじめるログイン

「奇跡のシンフォニー」試写会｜「スピードレーサー」ジャパンプレミア試写.. ブログトップ

「歩いても歩いても」プレミア試写会　[日本映画] [編集]

出演：阿部寛、夏川結衣、YOU、高橋和也、田中祥平、樹木希林、原田芳雄
監督・原作・脚本・編集：是枝裕和
音楽：ゴンチチ
原作：是枝裕和「歩いても歩いても」

http://www.aruitemo.com/

場所は渋谷CCレモンホール。プレミア試写会ってことで上映前にキャストの舞台挨拶があった。
緞帳が上がると舞台には茶の間のセットがあって卓袱台を囲んで阿部寛、夏川結衣、樹木希林、YOU、是枝監督と座ってた。
卓袱台の上にはお茶とスイカ。お茶飲んだりスイカ食べたりしながら、司会の人が各人に質問して、タイミング良く、お茶飲んでたり、スイカ食べてる時にキャストに話し掛けるっていう、少し笑いをそそる挨拶だった。5人の仲の良さそうな雰囲気が伝わってきて面白かったな。ティッシュは使いすぎだけどね。

映画の感想はというと・・・

子連れ再婚した良多は妻・ゆかりと、その息子・あつしと共に15年前に亡くなった兄の命日のため里帰りをする。兄とよく比べられてた良多は父親と反発し、あまり仲がよくない上、無職だということを言えずに嘘をついてたりで、実家には帰りたくなかった。

姉のちなみは持ち前の明るさで母のとし子と料理を作りながら、和気藹々としてる。実家を改築し二世帯住宅にしようと考えている。

医者を隠居した父の恭平は自分の部屋でソワソワしてる。話に入って行きたいのに行けないみたいな頑固な性格。

とし子が台所でごはんの準備をする雰囲気が、こんなお母さんいいな、料理美味しいだろうなと、こういうお母さんが一般的なんだろうけど、自分の母親とはかけ離れてて羨ましく思う。娘と一緒にあーだこーだいいながら料理して、たまに他の人がつまみぐいしたり、手伝ったりと、人数が多い家族は楽しそうだね。うちも昔は人数多くて賑やかだったな。

それぞれの思いがきちんと描かれてて、自分としては全てに納得いく考えではないんだけど、こういう立場だったら、こう考えてしまうんだろうな、とその人の立場になれば致し方ないのかなと思ってしまった。

子供を亡くした親の思い、子連れ再婚の嫁の思い、自分がこの家を建てたんだっていう父の思い等々。

父を亡くしたあつしの思い。誰も読まないのにどうして死んだウサギに手紙を書くのかという疑問に対して、この里帰りで納得のいく答えが得られたみたいね。

こういうのがきっと普通の家庭なんだよね。笑いがあって、全てではないけど言いたいことを言えて、お互いを大事にしあってる。素敵な家族だな。良多一家だけでも映画が作れそう。

楽しく、時に寂しく、感慨深い作品だった。